病因と病態生理・・・どうして虫垂が腫れるの
虫垂の位置に問題があります。腸管は上流から下流へ流れる一本の管ですので内容物は一方方向に移動します．でも虫垂は脇道にあり、入口（出口？）はあるけど出口は入口と同じ所，つまり虫垂の内容は他の場所に比べ非常にゆっくり移動します．食物も大腸に達するころになると腸内細菌にもさらされますので、虫垂で長期間停滞しているとどうしても賞味期限の切れたバイ菌まみれの状態になってしまいます．また虫垂はリンパ組織の過形成，糞石，異物，寄生虫が存在する頻度が高く，次第に虫垂が膨満，腸内細菌の異常増殖，虚血などが見られ虫垂での流通停滞まますます長くなりやすいので、虫垂は大腸の他の部位に比べて炎症を引き起こしやすい場所です．もっとも，普通の状態ではそう簡単に虫垂炎を起こしません．免疫が感染を防いでくているのですが、疲労の蓄積、風邪，便秘，食べすぎ，ストレスなどで抵抗力が落ちている時に病原体さらされると発症してしまいます。
そうして炎症を起こした虫垂は二次的に細菌感染を起こし，虫垂が腐って穴があいたり（穿孔），、腹膜炎などの重い合併症を起こすということになるのです．
